森林は、雨水を蓄え洪水を防止したり、土砂の流出や崩壊を防ぐ役割を果たしているほか、私たちの保険休養の場や、様々な生物の貴重な生息の場を提供しています。またCO2を吸収、貯蔵し地球温暖化防止に大きく貢献しています。
そのように様々な役割を果たしている森林を育成するためには、適正な森林整備が欠かせません。
森林造成事業
日南串間の森林は70%が人工林、いわゆる人が植えた森林です。そのなかで地域を代表する杉の人工林は伐採した後、適切な植栽と管理を行わなければ森林としての機能を維持できない場合が殆どです。
当組合では森林がもつ公益的機能を次世代に残すため、伐採後も環境を重視した施業を行い、繰り返し森林を作り上げることができるように取り組んでいます。
また、植栽未済地(人工林を伐採したあと植林されない)の解消にも積極的にり組んでいます。
植林した山はある程度木が育つまで
下刈り
植栽木が育つとともに周りの雑草木も育ち、植栽木から太陽の光を奪ってしまいます。そこでこれらを刈り払う作業を下刈りといいます。
除伐・保育間伐
成段階にある森林において、樹木間の込み具合・適正な樹幹率に応じて、植栽木の成長の邪魔になる雑木や形質の悪い不良木や劣勢木を中心に間引きし、優良木(残存木)の成長を促進させる施業です。
また、林地内に太陽光線が届きやすくなり、下草が生育しやすい環境ができ、優良木の根張りも促進できることから、土壌の流出を抑制すると共に、適度な保水機能を持ち、土砂流出災害防止の観点からも重要な施業です。
といった適切な管理を行い木の健全な成長を促します。
南那珂森林組合では保育作業の啓蒙につとめ、これらの森林整備事業に取り組んでいます。
なかなか機械化が難しく、人力での作業が主で、下刈り時は熱中症対策で、早朝から昼間での作業を行うなど非常に大変な作業ですが、これを行わなければ次世代に立派な山を遺すことが出来ない、非常に重要な作業です。
成長した山には
利用間伐事業
保育間伐と同様に、優良木の育成を促進し、林地内の適正な密度管理のために行う施業です。
そのうえ、将来の目標林型を見据えて適度に間引きした樹木を、木材価格・搬出条件等を考慮した上で、低コスト路網や高性能林業機械を利用し、木材の伐採~搬出~販売を行い、中間収入を目的とした施業です。
現代の森林管理には道は無くてはならないもの
森林土木事業
当組合は林業基盤整備である路網整備に積極的に参加しています。林業にとって路網整備は森林施業を実施していく上で不可欠な施設であり、森林を守るために重要な役割を果たします。
効率的な作業路網を開設することにより
利用間伐や皆伐時の木材を搬出する際のコスト削減を図り、森林所有者の所得の向上にも繋がり森林整備を行う際も容易に目的地に到達できるようになります。
育苗事業
令和2年度よりMスターコンテナ苗の生産に着手しました。
- 施設場所:串間市大平字長迫
- 敷地面積:28,100㎡(ハウス1,176㎡、養生・灌水施設1,080㎡、母樹林8,000㎡)
- ハウスの概要:間口5.6m×30m×7棟
- 養生・灌水施設:36m×30m
当組合では育苗事業を通じて以下のことに取り組んでいきます。
- 高性能林業機械の台頭による素材生産量の増加、それに伴う再造林面積の増加と苗木の需要拡大への対応
- 活着が良く成長の早い苗木の生産を行う事で、下刈り期間の短縮や労働力の軽減といった担い手への対策
- 苗木生産で軽作業部分を「地元就労継続支援B型事業所」の利用者に作業してもらう事で労働力不足への対応と、SDGsでも求められる目標「すべての人に健康と福祉を」「働きがいも経済成長も」等の達成