飫肥杉の歴史・特徴

日南の杉は「飫肥杉」として全国的に知られていますが、 その発祥は今から370年も前の元和時代、藩の財政を助けるために植林されたのが始まりです。
油分が多く腐りにくい飫肥杉は江戸時代には主として船を造る弁甲材として、また建築材として使われ、全国から注文を受けていました。
その後飫肥杉は造林を重ね、明治、大正、昭和にかけて黄金時代を築きました。 今では山々に美しい杉が林立し、飫肥の景勝となっています。

飫肥林業の特徴

1. 約400年の歴史
1623年(江戸時代初期)藩財政の窮乏を救うため、山林原野へのスギの直挿し造林を始めたのが始まりと言われています。
2. 部分林(分収林)制度
1723年に部一法(5官5民)という部分林制度が施行されて以来、植林面積は大幅に増加しました。その後、藩財政を大きく支えるようになったと言われます。
3. 弁甲林の生産
弁甲林は木造船専用の造船用材として瀬戸内海や韓国等へ出荷され、高値で取引されてきました。

オビスギの品種

心材の色によって赤系と黒系の2系統に分かれます。
赤系は、オビアカ、アラカワ、タノアカ等11品種、黒系はクロ、トサグロ、ヒダリマキ等5品種、合計16品種があり、赤系がオビスギを代表する品種とされています。

オビスギの特性

発根性が優れており、挿木時の活着が良い。
1年目の成長が早い。
適地の範囲が広い(やせ地、やや乾燥地でも成長がよい。)
赤枯れ病に強い。
一部で気根が発生する。

材質の特性

材の浮力が大きい(年輪が広く、比重が小さいため軽い)。
材は強靭(秋材部の幅が比較的厚くやわらかい春材部を補っている)。
材の耐久力が大きい。
弾力性があり曲げやすい。
粘り気が強く、強い衝撃を受けても材が欠けたり裂けたりしない。
節がほとんど生き節で抜けることがない。

育林の特徴

造林方法は挿木造林(明治までは直挿し)
疎植主義
(江戸時代は1ha当たり750本→明治時代は1,500本→大正時代は3,000本:弁甲材需要減退→昭和時代戦前は2,000~2,500本→戦後は1,500本→近年は2,500~3,000本)
枝打ちなし、間伐なしで、ひたすら肥大成長を図る
伐期は80~100年、又はそれ以上(現在は40~55年程度)

弁甲材

適材は赤系統
6~15mの長材に造材
出荷先は、
藩政時代から戦後まで:大阪、瀬戸内海、北九州方面
大正時代:さらに朝鮮、台湾、中国等へも出荷
戦後:韓国、瀬戸内海、沖縄、北九州
弁甲材の規格弁甲材は材の長さ(単位は「尋(ひろ)」:一尋は五尺)と中央部の周囲長で区分されていました。
造材(はつり)丸太の両面を削る「はつり」という独特の造材が行われました。これは、集運材や船積みが効率的に行えること、材質がはっきりわかること、船板等の木取りがしやすいこと等の目的で行われたと言われています。